フォースプレート – スペインのフットクリニックも信頼するキスラーのテクノロジー


ウィンタートゥール,2021年9月 —— バレンシアにあるクリニック「エストゥディオ・デ・ラ・ピサダ」は、足に関するあらゆることを扱っています。このクリニックの足専門医は、患者の症状を分析し、治療法を開発し、アスリートに対してパフォーマンスの診断に関するアドバイスを実施していますが、その際には、モーメントと床反力を記録するキスラーの圧電式フォースプレートをはじめとする最先端技術が駆使されています。

私たちは、生まれてから死ぬまで足を使って生活していますが、足に特別な注意を払うことは、めったにありません。しかし、バレンシア(スペイン)にあるエストゥディオ・デ・ラ・ピサダでは、すべての中心となるのが足です。30年以上にわたり、このクリニックは足治療と整形外科的なフットケアに集中的に取り組んできました。スタッフを率いるのは2人のスペシャリスト、すなわち動作解析と臨床バイオメカニクスのエキスパート、ホセ・マヌエル・ブル・ラザロ氏と、足専門医・足外科医のホセ・マヌエル・ブル・フアネス氏です。この2人は、中足骨痛症(中足の痛み)、扁平足、外反母趾、足底腱膜炎(足の裏の炎症)などの多様な疾患をもつ患者の治療にあたっています。また、このクリニックでは、キスラーのフォースプレートを使って、足以外の体の部分の病状、たとえばアスリートを襲うことの多いアキレス腱炎、脛骨過労性骨膜炎(MTSS)、あるいは大腿筋膜張筋(TFL)の機能障害などのその他の酷使反応の解析も行っています。

この2人のエキスパートは、多くの先進技術と多様な診断・データ収集システムを駆使して、障害の原因を突きとめ、効果的な治療方法を開発しています。多くの場合、理学療法とインサートを組み合わせますが、深刻な症例では手術を実施します。また、エストゥディオ・デ・ラ・ピサダでは、最新のレーザ技術を用いて、個別のインサートや矯正装置一式も作製しています。

エストゥディオ・デ・ラ・ピサダの動作解析実験室のランニングトラックには、キスラーの3Dフォースプレートが組み込まれています。
バレンシアのエストゥディオ・デ・ラ・ピサダの動作解析実験室。中央のランニングトラックには、キスラーの3Dフォースプレートが組み込まれています(絵文字の下)。

診断を容易にする正確なデータ収集

キスラーの3Dフォースプレートは、複雑な動作シーケンス(とりわけ足の障害自体を越える動作シーケンス)の解析に特に効果的であることが実証されています。

「私たちは、実施する作業に高い水準を設けており、診断のためにできるだけ多くの情報を収集したいと思っています。だからこそ、市場で絶対的基準と見なされているキスラーのシステムを選びました」

臨床バイオメカニクスのエキスパート、ホセ・マヌエル・ブル・ラザロ氏

フォースプレートは、多くの検査と評価を実施し、患者の動力学的・運動学的データを収集するために使用することができます。「多くの場合、フォースプレートと光学的な取得システムとを併用していますが、この組み合わせは有益な相乗効果を生み出します。たとえば、この組み合わせを用いると、特定のモーメントのバランスを取るために筋肉群が作用させる力の強さ・方向や合モーメントを計算することができます」とブル・ラザロ氏は言います。

圧電技術を組み込んだフォースプレートを使うと、動的なプロセスを非常に正確に取得することができます。また、この技術を高性能の視覚化およびデータ処理ソフトウェアと組み合わせることで、測定量と関連パラメータについて正確な知見を得ることができます。しかし、こうしたリハビリ時のパフォーマンス解析は、キスラーのソリューションを用いたモーメントと床反力の測定や総合パフォーマンスの計算の、ほんの一例にすぎません。「このデータは非常に有用です。これを使って、歩行時やランニング時の効率、エネルギー回復、エネルギー消費などの主要パラメータを特定できるからです」とブル・ラザロ氏は指摘します。

3Dフォースプレートから得られる結果は、矯正器具に関しても非常に役立ちます。矯正インサートは通常はシリコン製で、圧迫を軽減し、姿勢を矯正し、関節を動かすために使用されます。しかし一般に、足専門医は、装具が効果的であるという客観的な科学的証拠を得ることは難しいと考えています。足のスペシャリストで外科医のブル・フアネス氏はこう説明します。「これに関して信頼できる結果を得ることは非常な難題です。なぜなら、まったく同じ2つの足は存在せず、まったく同じストライドパターンも存在しないからです。しかし、キスラーのシステムを使えば、個々の患者において生じる変化を正確に測定し、把握することができます」

痛みの軽減と手術の防止

実際にどのようなことが起こるか、一つ症例を挙げてみましょう。両膝に問題を抱えたある患者が、このバレンシアのフットクリニックにやってきました。具体的には、膝内側痛がひどく、すでに手術も検討したということでした。予備検査の結果、さまざまな筋肉群で、複数のアンバランスと緊張が明らかになりました。さらに、この患者は強度のハイアーチ(凹足)で、足が内側に曲がっており(内転中足)、すね(脛骨)の過労と両膝の不安定性にも苦しんでいました。

「第一の目標は、作用する筋力を特定することでした。このために、いつものように、モーションキャプチャと組み合わせて、キスラーのフォースプレートを使用しました」と、ブル・フアネス氏は振り返ります。「次に、患者に22のマーカーを設置し、動力学的・運動学的な代償を追跡しようとしました」こうして得られたデータを使って、エストゥディオ・デ・ラ・ピサダのスペシャリストたちは、膝の内転力を弱める(つまり痛みを緩和する)ための装具を作製することができました。運動パターンの解析に続く次のステップは、リハビリ計画を策定することでした。手術をしなくても、理学療法に基づいて患者の痛みを緩和し、クオリティ・オブ・ライフを改善できるようにするためです。

ブル・フアネス氏は、要約しながら、こう言います。「こうした成功は、目的に見あった精密な診断機器の助けがあって、はじめて可能になります。キスラーの力測定プラットフォームは、厳密な意味での治療に限らず、スポーツパフォーマンスの向上や怪我の予防を目指した解析のためにも、このフットクリニックで日常的に使用しながら、効果を実証しています。さらに、いくつかのエクササイズを使用し、筋肉を詳細に評価すること(つまり線維の組成、弾性および疲労、伸長反射その他の特性を特定すること)もできます。」

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