射出成形におけるデジタル化された品質保証：キスラーの新しいソフトウェア

改良されたプロセスモニタリングシステムComoNeo 7.0の一部であるMultiflow 2.0は、多数のサイクルにわたって常に高い品質を確保します。新たに開発された自己学習アルゴリズムは、射出工程中にマルチキャビティ金型の個々の充填時間を自動的にバランスさせます。これにより充填時間の差が短縮され、個々の圧力曲線がより正確に調整されるため、流量に変動があっても均質で均一な射出結果が得られます。「新しいアルゴリズムはより高速で、より堅牢です」と、キスラー社のプロダクトマネージャーである Martial Willimannは言います。「旧システムのユーザーは、新しいシステムに簡単に移行できます。必要なのは、新しい制御ファイルを作成することだけです。」 

ComoNeo 7.0のその他の新機能には、使いやすさを向上させたモニタリングオプションの追加が含まれます。新しい「予測キャリブレーション」機能により、ユーザーは大規模な新規試験計画を立てる必要なく、以前にトレーニングしたモデルを新しい圧力曲線に適応させることができます。ComoNeo 7.0では、立ち上がりエッジに加えて、パルスとデジタル信号の立ち下がりエッジも記録できるようになりました。これにより、機械のシーケンスをより正確に捉えることができ、統計的評価にも役立ちます。新しいモニタリング機能により、測定曲線の最小値を記録することが可能になり、表示オプションが拡張されたことでシステムの操作が簡単になりました。初めて、すべてのトレンド値を1ページに表示して比較できるようになり、ユーザーは現在のプロセス進行状況を素早く概観し、評価できるようになりました。評価対象を設定する際、ソリューションでは参照曲線を表示するオプションが提供され、調整が簡単になりました。

射出成形におけるデジタル化された品質保証の基礎となるプロセスデータ管理

キスラーは、射出成形プロセス用のプロセスデータ管理ソフトウェアAkvisIO 7.0も更新しました。このソフトウェアは、ComoNeoを含むさまざまなソースからの射出成形データを統合、保存、文書化します。このソリューションの新機能は、古いバックアップファイルからデータをインポートする際にすでに有効になります。新しいソフトウェアは、新しい進捗状況表示と詳細なインポート文書により、より使いやすくなっています。データの評価を行う際、AkvisIO 7.0は、サイクルとステップ表示を使用して、複数のコンポーネントプロセスを初めて表示し、ユーザーが簡単に監視および比較できるようにします。「ユーザーからのフィードバックに応えて、フルスクリーン機能も追加しました」と、キスラー社でソフトウェア開発を担当するPascal Bibowは報告しています。「このソフトウェアでは、基本的なナビゲーション機能を維持しながら、サイクル表示をズームして詳細をより詳しく確認できるようになりました。多くの重なり合った曲線や、小さな画面で表示した場合でも、射出成形プロセスを制御することができます。」ヒストグラム機能により、より長い期間にわたるプロセスの傾向が視覚化され、生産プロセスの再現性について明確な情報が得られます。

統計的プロセス制御の未来

最新ベータ版機能として、AkvisIO 7.0プロセスデータ管理ソフトウェアでは、より正確なモニタリングを行うために、新しいEuromap-77インターフェイスを介して射出成形機を追加データソースとして統合できるようになりました。「すでにいくつかの機械モデルのデータで非常に良い結果が出ており、この初期段階でこの機能をお客様に試していただきたいと考えています。できるだけ多くのメーカーの機械と互換性を持たせ、お客様にセンサーと機械データの標準化された比較を提供したいと考えています。」 目標は、機械データとプロセスパラメータ間の相関関係の長期的な傾向を明らかにし、その洞察を最適化の可能性をよりよく評価するために使用することです。「AkvisIOは、射出成形中に異なる情報を同時に処理し、統計的プロセス制御のためにそれらを相関させることができるようになります」とPascal Bibowは結論づけました。