センサベースのソリューションで射出成形の効率性を向上

高精度で信頼性が高いセンサは、射出成形工程を効果的に監視するための基盤となります。また、加工が実際に行われている場所で測定することは、プロセスの透明性を最大限に確保しながら工程の状況を把握するための鍵となります。そのためキスラーは、射出成形用金型で圧力と温度に関連するプロセス変数を直接記録することをモットーにしています。プロセス波形の理想的な状態からの逸脱を即座に把握できるため、成形部品の品質をショット毎に確実に予測できるようになります。これについて以下のメリットがあります。

新しい金型について的を絞った効率的な設定が可能
金型の立上げにかかる時間と手間を最小限に低減可能
信頼性の高いプロセス監視を実現可能
製造した各部品に関する有用なデータを個別に記録・管理可能

これらのメリットを活用できるよう、キスラーはお客様のプロセスや金型の特定要件に細かいところまで対応できる各種センサを提供しています。

射出成形用金型で使用する独自のラインナップのセンサを用意

キスラーは、様々な用途、金型設計、高い金型温度などの特殊要件に対応した各種センサを提供しています。

直接測定用キャビティ圧力センサー6183Dは、前面直径わずか1mmの非常にコンパクトな設計です。

直接式型内圧/温度センサ

樹脂と直接接触するセンサは優れた測定精度を発揮し、取付け位置を柔軟に選定することができます。

Cavity pressure sensors from Kistler for indirect measurement can be integrated directly into the injection mold.

間接式型内圧センサ

間接式型内圧センサは、既存の金型に簡単に取付けることができます。主なメリットは、エジェクタピンの後ろに簡単に設置できること、エントリーレベルの低コストソリューションであること、既存の設計をわずかに変更するだけで設置できることです。

非接触式型内圧センサ（歪測定用センサ）

（製品には触れない）非接触式なので、センサ/エジェクタの痕跡を残すことなく、部品成形品のプロセス監視を実現できます。

金型用温度センサ

金型用温度センサは、成形中の金型温度を監視・制御するために使用します。

キスラーのセンサがなぜ特別なのでしょうか？

センサの組込方法や、キスラーの各種センサの様々なトピックをぜひご確認ください。

センサの選択

キスラーは様々なセンサを提供していますが、適切なセンサはすぐに選択できます。設置するセンサは、基本的に金型への設置条件に基づいて選定します。圧電式測定技術には、測定範囲全体（通常は0～2,000bar）で良好な信号を供給できるという重要な利点があります。測定圧力を考慮する必要があるのは、低圧の場合（フォーミング工程など）のみです。スムーズに設置できるよう、できるだけ大きな寸法のセンサを選択してください。直接式、間接式のどちらの型内圧センサを選択するかは、金型の基本設計によって異なります。既存の金型の場合、エジェクタの後ろに間接式センサを取付けると金型の改造が容易です。一方、直接式センサはより柔軟に設置位置を選定できます。

センサの位置

センサを設置する位置は、基本的に監視対象の品質基準や全体の品質監視戦略によって異なります。

キャビティの充填によって大きな影響を受けるという特性があり、金型の充填を見える化する唯一の方法であることから、センサの位置をゲート近傍にすることをお勧めします。ウェルドラインやフル充填といった局所的な品質基準が対象となる場合は、センサをこの重要な位置の近くに取付ける必要があります。ショートショットを監視する場合、充填終了位置に設置すると、不良品を検出できる分解能がかなり向上します。

型内圧に基づく保圧切替

キャビティ圧力に基づくセンサーとシステムは、部品がスクラップかどうかを可能な限り早い時点で判断する。

保圧切替が型内圧に基づいて行われる場合は、センサの位置をスプル近傍にすることをお勧めします（例：流路の1/3以内の位置）。この位置では保圧切替がわかりやすくなるため、対応する許容圧力を設定することができます。型内圧に基づく保圧切替は、スクリュの位置に基づく切替などの他の方法と比べ、より高いプロセス再現性を確保できます。成形機設定だけでなく、キャビティ内の溶融物の実際の流動挙動が考慮されるため、樹脂粘度変化等の影響を効果的に抑えられます。同じことは、要求精度の高いインサートのオーバーモールディングにも当てはまります。