電動モビリティは先端を行く
Liuzhou AAM社では現在、71人の優秀な従業員が働いています。製造はまず、燃料を動力源とする車両の駆動システム用コンポーネントから開始されました。これらはWuling Hongguan S3や顧客によって組み立てられるその他の車両タイプなどに使用されます。しかし会社の中期目標は、内燃機関用のコアコンポーネントの製造を強化することだけでなく、電気自動車用の市場シェアを徐々に拡大することでもあります。Liuzhou AAMはすでに初期段階でこの事業にかなりの資源を投じています。最初の電動パワートレインは2020年3月に製造され、このパワートレインを搭載した小型車、Baojun E300はそれ以来大きな注目を集めています。
圧入工程をリアルタイムでモニタおよび制御
Liuzhou AAM社は、製造ラインにキスラーのサーボプレスシステムを導入しています。このシステムが組立工程のソリューションとして選択されたのは、優れた精度と制御性、そして普遍的な互換性を備えていたためです。「Wuling Industrialでは油圧式圧入モジュールが使用されていました」。こう述べるのは、シニアプロセスエンジニアのChen Chuanliang氏です。彼はWuling Industrialの元社員で、工業生産に関わった5年間の経験を活生かしています。「リアルタイムの工程監視といったものはなく、圧入工程の制御レベルは低いものでした。そのため組立においては、過度の力による表面の曲がりやエッジの傷、部品の損傷という品質の問題に常に直面していました。最悪のケースでは機械のダウンタイムが生じたり、顧客から苦情が寄せられる可能性もあり、この種の経済的損失は何としても防ぐ必要があります。」
こうした経験が、Liuzhou AAM社の新しい工場に正確な力/変位監視を備えた圧入ソリューションを求める引き金となりました。「私たちは圧入速度を制御するため、製造ライン全体にわたって全パラメータをリアルタイムで可視化する、操作しやすいシステムを求めていました。その他に、設置時間やサービス時間の短縮、トレーニング労力の削減も目指していました。」そしてこれらをまさに実現するのが、キスラーの電動サーボプレスシステムとmaXYmos NC(数値制御)の組み合わせでした。これにより正確なセンサデータに基づいた連続的な力/変位監視と接合制御が可能になります。その結果、事実上100%の品質保証が達成されます。それを裏付けるようにChen氏は、「オイルシールやベアリングなどの製品の製造に際し、弊社はスクラップ率を大幅に低減することができました」と述べています。
組立における最高の品質と柔軟性
また、高度なシステム統合と柔軟なアプリケーションなど、さらに多くの利点もあります。Liuzhou AAM社は高度に自動化され、高度に統合された製造ラインを稼働しており、そこではすべての関連システムに対してサイクルタイムの正確な監視が必要となります。そして効率と生産性を向上するために、圧入システムはさまざまな範囲の製品と作業手順の要件にも対応できなければなりません。これらの理由から、Liuzhou AAM社はドライブおよびアクスルシステムの製造ラインにキスラーの電動サーボプレスシステムNCFH、NCFN、NCFEを導入しました。これらのモジュールはギアユニット、ベアリング、浮動アクスル、ブッシュなど、多数のコンポーネントの組立に使用されます。「キスラーのソリューションの主な利点は、さまざまなアプリケーションへの適応性が非常に高いことです。そのため、プロセスエンジニアの作業負担がかなり軽減します」とChen氏は指摘します。「接合モジュールはコンパクトで統一されているので、柔軟に組み合わせることができ、複雑な組立工程の場合でも設定が簡単です。」
Liuzhou AAM社は今後、従来の駆動装置、電動ドライブ、ハイブリッドドライブの開発を並行して継続していこうとしています。特に広西チワン族自治区では、電気自動車が目覚ましい進歩を遂げ、人気が高まってきています。少なからず政府の支援のおかげで、柳州市は自家用の小型電気自動車の製造と促進のための中心地となりました。道路はすでに電力のみで駆動する車両であふれており、カーシェアリングは常に人気があります。世界全体から見ても、中国は電動モビリティの主要な推進国(米国がこれに続く)となっています。2019年の時点で政府は中国市場で操業する自動車メーカーに対し割当制を導入し、2020年にはこの規制がさらに強化されました。