ウィンタートゥール,2019年4月 —— キスラーの汎用試験システム「InspectPro」を利用すれば、ボルト接合の機能特性をその場で効率的に試験することができます。取付けプロセスを詳細に測定することで、製造プロセスにおいて最適な品質を確保できるようになります。また、無線によるデータ伝送方式を採用しているため、試験をより快適に実施できるようになっています。
今日、多くのメーカーが、すべての製造工程において可能な限り完全な品質を管理する方法を確立しようとしています。ボルト締付け作業は工場の量産工程において、最も頻繁に行われる接合技術のひとつです。ここでは、すべてのジョイントについて、できる限り詳細に必要なプリロード力を再現することが重要になります。このプリロード力は、例えば摩擦、締付け方法、構成部品の特性、ボルト締付けツールといったさまざまな影響因子に左右されますが、その測定には非常に大きな労力を投入する必要があります。プリロード力を調べるために、締付け角度とトルクが補助値として用いられることが多く、その測定結果が静的に評価されます。
規格に準拠した試験を柔軟に実施可能
キスラーの移動式試験システムは、分散型の製造環境下で実施する各種ジョイントの試験に対応した汎用システムです。バッテリーを装備したポータブル試験装置として、その場でサンプリング試験を実施できるだけでなく、連続モードにして実験室で使用することもできます。このシステムは、ボルト接合のプロセス試験に対する要件(規格VDI/VDE 2645、シート3に記載)をクリアしているだけでなく、「InspectPro」の使用によって試験を効率的に実施し、包括的に記録することも可能です。
製造現場で直接ジョイントを検査する場合、ボルトとトルクレンチの間に適切なセンサを設置し、「InspectPro」に接続することになります。キスラーの測定システムは、トルクセンサや締付け角度センサはもちろん、その他の各種センサと組み合わせて使用することができます。センサは仕様に応じて自動的に検知されるため(キスラーのセンサに対応したAutocodeシステム)、基本的にすぐ測定を開始できます。キスラーのプリロード力センサを使用すれば、ISO 16047に準拠した総摩擦係数を把握することも可能になります。また、オプションのハードウェアモジュールとソフトウェアモジュールを組み合わせれば、増し締めやツール試験などの特殊なテスト作業の処理、さらに車両ドアの閉めるエネルギーの測定も実現できるようになります。