エンジン筒内圧測定 とは
エンジン筒内圧測定 は、レシプロエンジンのシリンダ内の圧力勾配を測定・分析するための方法でありインジケータ線図のベースとなるものです。
エンジン筒内圧測定 は、レシプロエンジンのシリンダ内の圧力勾配を測定・分析するための方法でありインジケータ線図のベースとなるものです。
シリンダ内は圧力が高いことから筒内圧測定は「高圧測定」とも呼ばれ、補完的に「低圧測定」も用いられます。低圧測定は、ガス交換時の吸排気系の圧力を測定します。各測定圧力をエンジンの特定の行程に割り当てられるよう、ピストン位置(クランク角)または時間が計算に考慮されます。
このプロセスは、エンジンの研究・開発・チューニングに必要なデータを提供するものであると同時に、エンジンメーカーがますます厳しさを増す排気ガス規制を確実に順守し、エンジン効率を最適化するためには欠かせないベースともなっています。
筒内圧測定により算出されるシリンダ内の圧力勾配は、インジケータ線図に最も重要な情報です。インジケータ線図により、燃焼時の熱力学的変化やエンジンの性能をより正確に把握することができます。これらの情報に基づいてエンジンを最適化することで、次のような効果が得られます。
筒内圧測定は次のようなエンジンに対して行われます。
筒内圧測定には主に、シリンダヘッドに直接取り付けられた圧電式高温圧力センサが用られています。高温圧力センサ一体型の測定スパークプラグも使用されます。この測定スパークプラグは、標準のスパークプラグの代わりに取り付け可能です。ディーゼルエンジンの場合は、特殊なグロープラグアダプタを使用して測定することもできます。
測定系は、チャージアンプ、データ収集システム、解析システムで構成されます。自動車分野では、1つの機器でデータ取得と解析の両方が可能でテストベンチでもモバイルアプリケーションでも使用できる革新的な測定表示システムがあります。
筒内圧測定により決定されるシリンダ内の圧力勾配は、インジケータ線図に最も重要な情報です。レシプロエンジンは熱機関であり、燃料と空気を混合して燃焼させた際の化学反応エネルギーを機械的エネルギーと熱エネルギーに変換するものです。
開発者の目的はエネルギー変換プロセスから可能な限り最大の機械的エネルギーを得ること、つまり効率の最大化です。ここで重要となるのが、ピストンに作用する圧力のクランク角に対する変化量です。この圧力変化は、燃焼、すなわちエンジン内でのエネルギー変換を表すものです。1回の燃焼サイクルから得られる仕事量は、燃焼室の圧力とこれに伴う容積の変化から得られます。
ピーク圧力と1回の燃焼サイクルの平均有効圧(IMEP)は両方とも重要なパラメータです。
光学式燃焼解析技術は、筒内圧測定を補完し、燃焼プロセスを最適化する選択肢の1つです。ベースとなるのは、燃焼時のノッキングやプレイグニッションの発生原因、燃焼室内のすすの形成を正確に検出する高性能光学プローブです。この光学プローブは、あらゆるタイプのスパークプラグに組み込むことができます。高速度カメラ画像を統合して、燃料噴射や火炎伝播といった高速のプロセスを可視化できるシステムもあります。