構成部品特性のモデルベース予測
このシステムはどのように機能するのでしょうか?構成部品の品質予測は、成形部品の特性を計算できるモデルに基づいています。ここでは、ニューラルネットワークに基づく機械学習の最新アルゴリズムが使用されています。まず、成形機に取り付けられている「ComoNeo」によって実行される実験計画(DoE)を作成します。続いて、圧力/温度プロファイルや構成部品の適切な品質特性などの算出パラメータから、「ComoNeoPREDICT」がさらに実行するための基準として用いる予測モデルを作成します。構成部品が規定の許容範囲を逸脱すると、その構成部品は自動的に排除されるようになります。実験計画と予測モデルを作成するために、ユーザは特殊なPCソフトウェアを使用することになります。
新しいComoNeoPREDICTから得られるメリット:
- 完璧な品質プロトコルにより不良品排除を厳密に設定
- 予測される品質特性を直接監視することにより、ユーザーはノウハウを獲得
- 誤って不良品として扱われる良品を最小限に抑えられる
- 許容誤差と不良品基準を簡単に決定できる
- 計算に必要な波形ポイントが自動的に選択される
- ソフトウェアの操作に特別な数学的知識や統計的知識は不要
- モデルの再トレーニングにより継続的な改善が可能
文書化された一元的な手順が適用されるため、人的要因によるばらつきがテストの実行とモデル計算に影響を与えることはありません。この手法の透明性は、ユーザのプロセス理解を高めます。特に、繊細な医療技術向けの精密部品や組み立てが難しいコンポーネントの製造メーカーにとって、射出成形プロセスにおけるあらゆる品質特性を広範囲に点検できる新機能は利益に直結します。
ComoNeo:インダストリー4.0におけるスマート生産を実現
「ComoNeo」は、製造現場の水平なプロセスレベルと、上位システムに対する垂直レベルの両面においてデジタルバリューチェーンの中核となるモジュールです。プロセスレベルでは、「ComoNeo」の機能により、従来型のマルチコンポーネント成形に用いる型内圧ベースのプロセス監視(ComoNeoMERGE)だけでなく、型内圧に基づく射出成形機の切替え(ComoNeoSWITCH)やホットランナ制御システムのバランシング(ComoNeoMULTIFLOW)にも対応できます。「ComoNeo」で作成した品質関連のプロセスデータはすべて、OPC UAを介してMESやERPシステムなどの上位システムに送信できます。つまり、スマート生産は「ComoNeo」から始まるといっても過言ではありません。