From right to left: development engineers Sung-Hyun Woo, Ph.D., and Jong-Min Im of the Korea Aerospace Research Institute (KARI) working with Seong-Oh Lee of Kistler on the measuring chain for satellite vibration tests.
韓国航空宇宙研究院は、キスラーの測定技術を使用して人工衛星のフォースリミット振動試験を実施しました。24個の力センサをリング状に配置し、LabAmp(ラボアンプ)チャージアンプとデータ収集装置に接続しました。これが、過負荷による損傷を防ぐための加速度制御の基礎となります。
韓国は世界の宇宙探査事業では後発組に位置付けられます。韓国で宇宙探査事業が始まったのは、1989年の韓国航空宇宙研究院(KARI)の設立時にさかのぼります。テジョン市の中心部に位置するKARIは、20,000人以上の研究者が働くデドク研究開発特区にある研究所の1つです。1990年代に宇宙船用の最初のロケットを開発した後、KARIは現在、スマート無人航空機(UAV)の開発、人工衛星プログラム、さらにNASAと共同での月面探査に集中的に取り組んでいます。
2018年6月に開始され現在も継続中のプロジェクトで、KARIのエンジニアは、大型ペイロード向け振動試験を実施するためのインフラストラクチャ整備という目標を掲げています。フォースリミット振動試験(FLVT)は、打ち上げ時と飛行時の振動により生じる機械応力をシミュレーションするための実証プロセスです。UUT(試験体)を所定の制御で励起する加振機上に置きます。 UUTの深刻な損傷や破壊を引き起こすおそれがあるため、過負荷を防ぐことが重要になります。このため、加速度レベルを力センサで制御します。「この方法は、加速度のみでモニタするよりも、感度が高く、信頼でき、実用的であることが実証されています」と、KARIの宇宙環境試験部門のディレクター兼主任研究員であるSung-Hyun Woo氏は語ります。「私たちの目標は、力センサからのフィードバック応答で、自動的に励起をノッチングする制御機構を作ることでした。」ノッチングとは、狭い周波数帯域での加速度入力の低減を指す技術用語であり、通常は試験体が共振する周波数帯域で適用されます。