圧力センサの校正


圧力センサの校正とは

圧力センサの校正方法

圧力センサの校正方法は、厳重に密封した試験圧力容器に封入された液体または気体に圧力を加えて行うのが一般的です。この圧力を正確に測定して被試験装置の出力信号と比較します。

圧力(p)は、すべての空間方向に作用する垂直応力として定義されています。この圧力は、面積Aに垂直方向に均一に作用している荷重Fの結果です。 

p = F /A

この定義で、圧力(Pa = kg/(m*s2))は、荷重と面積を使ってキログラム(kg)、メートル(m)、秒(s)のSI単位に換算できます。
圧力は、ダイヤフラムまたは所定の面積のシリンダを使って荷重に変換することで直接測定することができます。

デッドウェイト試験機を用いた静圧センサの校正

デッドウェイト試験機は、トレースできる錘を使用して液体の体積に圧力をかけます。これにより、圧力測定器で圧力を精密に読み取ることができます。デッドウェイト試験機を用いた圧力センサの校正は、圧力センサによく使用される校正方法で、ピストンシリンダの上に平衡錘を置き、ピストンにかかる圧力のバランスを取ります。デッドウェイト試験機は一次標準器です。デッドウェイト試験機による圧力は、質量、時間、長さの単位にトレース可能です。デッドウェイト試験機は、校正機関における電子式圧力測定器などのトランスファ標準の校正に使用されます。

デッドウェイト試験機を使用すると、静圧を段階的にかけてそれを一定に保つことができます。圧力ステップは、錘の質量によって決まります。圧電式センサの感度は、個々の圧力レベルの圧力をセンサに加え、基準とする圧力とセンサの出力信号を比較して決定されます。(図:校正の各段階)

準静的校正

この校正方法では、圧力センサに連続的に負荷を掛けて校正を行います。圧力発生器は、ピストンを押すスピンドルで構成されています。このピストンがオイル内に圧力を発生させ、これを被試験センサ(UUT)と基準センサの2つのセンサに掛けます。圧力は、10秒~30秒でゆっくりと安定します。この測定方法が「準静的」と呼ばれるのはそのためです。この方法は圧電式圧力センサの校正に適していますが、チャージアンプ内蔵型圧電式センサ(IEPE)など、時定数の短い圧力センサには適しません。